派遣社員は、正社員と契約が大きく異なるため、その違いを利用した悪質な事件も多く発生しています。特に、正社員と異なり、派遣先の企業との間に派遣会社が介入するため、そのプロセスにおいての賃金の搾取であったり、違法な多重派遣が行われたりしてしまうことが多いです。正社員としてよりも働きやすい派遣社員ですが、その立場は依然として弱く、悪質な派遣会社を選んでしまうとその立場を利用されかねません。ここでは過去に発生した事件を紹介し、少しでも注意する意識を持っていただきたいです。
21世紀になり急成長を遂げていた人材派遣会社グッドウィルは多くの若者に利用され、アルバイトや派遣に関する業務を行っていました。しかしその裏では違法な派遣を行っていたり、労働者からの搾取が行われたりしていました。その中でも特に大きく取り上げられるのが搾取についてです。通常、派遣社員に支払われる賃金は「売上原価」として計上され、実際に派遣先の企業から得た収益の一定割合がそれに当たります。このグッドウィルの場合は66.4%が労働者に賃金として支払いがなされていたようです。これはつまり、派遣先の企業と派遣会社の間での契約が時給1000円だとすると労働者には664円が支払われるということです。これとは別にグッドウィルの場合は用途不明な「データ費」というものも差し引かれており、最終的に労働者が手にする賃金は、約61%にまで下がってしまいました。つまり、派遣会社であるグッドウィルが4割近いマージンを取っていることになります。現在の派遣会社の平均のマージン率が27.9%ですからそのマージン率の高さが際立ちますよね。10%以上マージン率に違いが出ると、先ほどの例でいうと同じ時間働いたとしても一般的な派遣会社で働く労働者とグッドウィルの労働者との間にどれだけ大きな差が出るのかというのは簡単に想像ができるはずです。
それでは、こういった派遣会社をうまく見極め、搾取をされないようにするためにはどうすればよいのでしょうか。グッドウィルを例にとったような派遣労働者からの搾取が横行している企業は事件にもなり、淘汰されましたが、これですべての悪質な派遣会社が淘汰されたわけではありません。ですから、派遣会社を選ぶ際に違法に搾取されないようにするためにも派遣社員という弱い立場を利用されないよう、しっかりとした知識、そして自分を守るすべを身につけ、付け込まれるすきを与えないようにすることが重要になります。